第58章 絶対君主には成れずとも$ 下巻1
義勇様に撫でられるのが心地よくて、ちょっぴり微睡んで居ると……
「クルル……」
カンバダも頭を撫でろと冨岡に擦り寄り始めた。
もう少し二人の時間を楽しみたかったのに……
そんなことを思っていたのを見抜かれたのか、擬煌珠にジッと見つめられる。
「えっと、朔さん」
「何ですか?」
妙にかしこまった擬煌珠の様子に。
「私も……あの方と同契してみたいのですが……」
あの方っていうのは、義勇様と……ってことよね、きっと?
「義勇様は私のご主人様です。それに私たちエディルレイドはお相手から生気を頂くのが決まりです。一人のお相手に複数のエディルレイドが同契することは命を縮めるのも同じこと。簡単に了承はできません」
「私は所詮は擬煌珠ですから。本物のように生気は頂かない分、お相手の負担は少なくて済むと思います」
「………」
何?今の?
私、牽制されてる?
…………何だろう、イヤな感じ。