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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第77章 咲くは朱なれど散るは白


「並の術士では泰山府君祭は行なえないはずですが……」


「泰山府君祭って何ですか?」


「……死者を甦らせる術、と聞いています」



炭治郎が困惑の表情を浮かべる。



「そんな……こと……出来る訳……」


「えぇ。でも、その術を成功させたことがある術士は、後にも先にも一人だけいます。それが安倍晴明……」


「ふるべふるべ、ゆらゆらと、ふるべ」


「このままだと、よからぬ事態になります。なるべく距離を取って、蘆屋道満に近ずかないようにして下さい!!」



道満が懐から一枚の紙片を取り出し、息を吹きかける。


『式』だ。


式は陰陽師の手足同然の存在。


時に情報収集の目となり、術者の思うがままに行動する。


厄介なのは、紙とはいえ、その紙片に術式が刻まれていれば、術者の判断で技を発動できる点だ。


「その紙に触れてはいけません!!」


「ただの紙切れだろォ。んなもん、たたっ切っちまえば、問題ねェだろ!!」


「不死川さん!!」

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