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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第72章 乞い願う、光を求めて


「俺は………白藤さんに……」



生きていて欲しい。


その為に、俺はもっと強くなって、彼女を護りたい。



『お前の望みが叶うように、私が力を貸そう』



「うぅ、がぁ……」



炭治郎の様子がおかしい事に気づいて、宇髄が白藤と舞山を背後に庇う形で距離をとる。


何だ、この気配。

まさかとは、思うが……



「竈門!」

「炭治郎、君?」



白藤の声に反応してか、炭治郎が咆哮を上げる。



「がぁあああ!!」



正気とは思えない。


これでは、まるで……



「炭治郎君……貴方、まさか鬼に……?」

「ぐるるる……」



こちらを見つめてくる炭治郎の瞳は血走っていて、まるで鬼の飢餓状態を彷彿とさせる姿だった。


何故?


禰豆子を鬼から人に戻す為に鬼殺隊に入った炭治郎が、鬼になるなんて……


信じられない……


誰もが目を見張る中、善逸だけは俯いたまま、唇を噛み締めた。


彼は知っている。


炭治郎が白藤に想いを寄せている事を。

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