第58章 絶対君主には成れずとも$ 下巻1
どうやら、朔と擬煌珠には馴染みのない生き物らしい。
砂漠で暮らす生き物は様々いるが、大型のものは駱駝とカンバダだ。
人を乗せて走ることのできる生き物は砂漠で重宝される。
カンバダは恐竜の子孫と呼ばれるだけあって、鋭い爪と長い尾が特徴の蜥蜴だ。
首も長く、一角と呼ばれる角に似た突起が額に生えている。
「金額にも寄るだろうけど、二人なら乗れるでしょ?」
「「二人?」」
$$$
結果、カンバダを一頭レンタルし、冨岡と擬煌珠が乗ることに。
朔はと言えば……
「善逸さんの馬鹿……」
剣に戻り、冨岡の腰に今朝装着したベルトでぶら下がっている。
義勇様の後ろに乗りたかったのに…
冨岡の後ろに乗っている擬煌珠を恨めしく思いながら移動を開始する。