第58章 絶対君主には成れずとも$ 下巻1
「善逸さん、少し体が軽くなりました!」
「軽量化と俊敏さが上がる補助具だよ。いろいろ手伝って貰ったから、朔お姉さんにサービス」
「ありがとうございます。善逸さん」
「うふ、うふふふふ……」
善逸は笑い声が時折不気味ではあるが、悪い男ではない。
さて。
「そろそろ行くか」
「って言っても、路銀あるの?」
善逸の素朴な疑問に冨岡が答える。
「紫煌楼の退職金が少しな」
「ふぅーん。現金あるならカンバダをレンタルしたら良いんじゃない?」
「カンバダ?」
「見たことない?駱駝(らくだ)みたいに大きな一角蜥蜴(いっかくとかげ)」
「大型の蜥蜴か?」
「たまにパレードで女性乗せてるアレだよ」
「あぁ、アレか」
「「蜥蜴?」」