第57章 絶対君主には成れずとも$ 中巻
「はぁ…」
さすがに疲弊してきた。
同契というのは、存外に体力を使うようだ。
前回は短い時間だったから、負担も少なかったのだろうか?
「はっ、はっ…」
「くくっ、息が上がってきましたね。そろそろ限界ですか」
「っ……」
悔しいが事実だ。
次が最後の一撃になるだろう。
足掻け、少しでも前へ!
『朔。俺に力を貸してくれ』
心が通じている今ならば、言葉で直接言わなくても、伝わる。
それがようやく分かった。
『はい、義勇様』
「「翠玉(すいぎょく)の 水面に映るは 御柱(みはしら)の……」」
「吾がために 従いせしは 隷属(れいぞく)の……」
ズズズ……
朔が大気から水分を集め、球状に収束させる。
ゴオォ。
対するノアズアークも雷をよぶための暗雲を出現させる。