第57章 絶対君主には成れずとも$ 中巻
シリアスムードなのは分かってんだけどさ、俺も居るの忘れないでくれるかな?
さっきから雨やら落雷やらで、テントは破れるし、濡れ鼠になるし……
あーぁ、何とか商売道具だけは回収しないとなー。
つーか、マジで何なの?
分かるよ?
会ったら即戦わなきゃいけない因縁の相手っているよね?
でもさ、でもさ!
何も今ここでやらなくてもよくない?
俺もあの子を助けてやって欲しいっていったけどさ?
時と場合というか、場所って大事でしょ?
こういう大きな戦いはさ、人が居ないとこでやっ……
「ぶべっ!!」
また、水でびちゃびちゃだよー。
風で巻き上がった砂が肌に張り付いて離れない。
ざらっざらだよ、さっきから。
いい加減決着、着けてよー。
善逸の想いとは裏腹に、戦闘は激しさをましていく。