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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第57章 絶対君主には成れずとも$ 中巻


翌朝。

襲撃された以上、ここに留まる訳にはいかない。

「朔、ここから出るぞ。いいか?」

「もちろん。義勇様となら、どこへでも」

身支度を済ませ、二人で女将の元へ。

「そうかい。訳ありとは思っていたけど……ま、困ったらいつでも来なよ。これ、あんたの給料だ」

「良いのか?」

「この辺は下町だからね、現金があったほうがいい。ただ、すりも多いから気をつけなよ?」

「あぁ。分かった、助かる」

「義勇さん……」

「……百合」

「あの……これ、ありがとうございました。義勇さん、私……」

昨日百合に着せた外套を手渡され、それを受けとる。

「済まなかった。……また、来てもいいか?」

「はい、待っています。貴方を。どうか、ご武運を……」

うっすらと涙を目尻に浮かべる百合に手を振って、俺と朔は紫煌楼をあとにした。

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