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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第57章 絶対君主には成れずとも$ 中巻


俺は自分の羽織っていた外套(がいとう)を百合に着せることにした。

「…………義勇、さん」

百合の涙はいつの間にか止まっていた。

「義勇さんは…いつか、ここを、出てしまうんですよね?」

どう答えるべきか迷うも、結局俺は真実を口にした。

「………ああ。それがどうかしたか?」

「居なく……ならないで、……欲しいんです」

彼女は俺の外套を握り締め、揺れる瞳をこちらに向ける。

「すまないが、それはできない」

本当のことだ。

俺には王宮に妻が居て、それに……

「義勇さん?」

「俺は…」

言葉が出なかった。

なんて声をかけるべきか……

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