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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第57章 絶対君主には成れずとも$ 中巻


紫煌楼にて。


「あ、お兄さん!」

声を掛けてきたのは、さっきまで一緒にいた菫だ。

こっちこっちと誘われ、入った座敷にはもう一人の女性。

「………朔?」

明るい髪色と先ほどの橙色の髪留めが無ければ気付けなかったかも知れない変貌ぶり。

髪を結い上げ、薄く化粧も施し、菫達が着ている薄布の衣装。

そのまま娼婦として働けそうな出で立ちに少々驚きつつも、じゃれるように女性たちが朔の周りを行き来する様を見て、要は着せ替え人形にされたのだと思い当たった。

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