第57章 絶対君主には成れずとも$ 中巻
「ね、お兄さん。朔ちゃんばっかり見ないで。私のことも可愛がって?」
菫が俺の手を自ら胸元へ招く。
小さいがすべすべな肌に俺の手が触れると、敏感なのか菫の体が跳ねた。
「お兄さん、その子初物だからよろしく頼むよ」
「は?」
「義勇様!」
「お兄さん、義勇っていうの?格好良い名前……ぁ…ねぇ、義勇…もっと、触って良いよ……///?」
いや、だから俺には白藤という妻が……
「ダメです!義勇様は私の御主人様です!」
朔が菫とは反対側にすり寄って来る。
「義勇様、触るなら私を!」
朔に掴まれ、逆の手に朔の胸。
大きさも柔らかさも好みは朔だが……
……………違う!
俺には王宮に残してきた妻がいる!