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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第57章 絶対君主には成れずとも$ 中巻


「菫さんのお店は水晶堂の裏手の紫煌楼(しこうろう)ですよ」

今は要らない情報だ。

「どういったお店なんですか?」

朔にいたっては、どういう類いの店かすら分かっていないだろう。

「お姉さん、お上りさんなの?」

お上り?

「あぁ、昨日王都に連れてきたばかりなんだ」

混乱している朔の代わりに冨岡が応える。

「そうなんですね、どちらから?」

「……東の、辺境から」

……無理が有るか?

「ちょっと、菫!いつまで油売ってんだい?」

「あ!菖蒲(あやめ)姉さん!」

菖蒲と呼ばれた女性はなるほど確かに娼婦然としていた。

ふくよかな胸にくびれた腰。

ん?隣の男は誰だ?

「あ、伊黒さん!」

「帰って来ないと思えば、お前たち二人揃って何をしている…」

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