第76章 違えし縁
揺らぐ視界、火照る体。
もう、意識が……
舞山が辛うじて覚えているのは、男達の嘲笑と弄ばれた体の痛み。
あちこちに出来た鬱血痕。
身体中から漂ってくる不快な臭い。
女のように組み敷かれ、髪や喉奥にまで吐き出された白濁が乾いて至る所に染みや汚れとなって舞山にこびり付いている。
いっそこのまま死に至りたい。
こんな姿で屋敷に帰る訳には行かない。
だが、もう体が動かない。
昨夜のように弄ばれるくらいなら、この場で首を括ろうか……
『舞山と言ったか。女子のように肌が白ぉて、美しいのぅ。顔立ちも見目も良い。このまま屋敷に持ち帰りたいくらいやなぁ……』
好色男の言葉が脳裏に蘇る。
『男も女も初物に限る言うてなぁ。どれ、味見といこぅかいな』
男は舞山の着衣を剥ぎ取りながら、満足気に笑った。