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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第57章 絶対君主には成れずとも$ 中巻


「それで妹がお姉さんに恩返ししたいということで……」

「お姉さん、これ。もらってくれる?」

「何かしら?」

炭治郎の妹、禰󠄀豆子が朔に布地を手渡す。

「髪留めに使って下さい」

朔が背中に流れる髪を一まとめにする。

「義勇様、似合いますか?」

「ああ、似合っている」

浅黄色の髪に橙色の髪留めが揺れる。

元気一杯の朔には似合いの色合いだ。

「そういえば、菫(すみれ)さん。お姉さん方が探していましたよ」

菫と呼ばれた少女は朔より頭一つ低いくらい。

体つきは娼館で働いている割には貧相だ。

客観的に見て、朔の方が男受けする体つきである。

「うー、サボって無いもん!ちゃんと呼んでるもん!ね?お兄さん、お店来てくれるよね?」

何だか断りづらくなってしまった。

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