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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第72章 向かう白、揺蕩う藤色


珠世の言っていることは真実のはずだ。




白藤も当時、縁壱から事の経緯を聞いている。


厳勝の事はひた隠しにされていたが。


きっと彼のことだから、私に言えなかったのだろう。





『鬼殺隊から鬼が出た』


そう言っている者達もいた。






でも、私はその話に聞く耳を持たなかった。


彼が帰って来てくれると、信じていたかったから……





そう、私の願望だ。

縁壱もきっと感じ取っていたんだ。



私を抱いてくれた、あの夜。



彼は私の悲しみごと、全てを背負ってくれたのだ。



「鬼舞辻、無惨……」



私も、あの人を鬼に変えたこの鬼が憎い。




でも、何故だろう。

何か引っかかる。




「白藤さん?」


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