第56章 新年用読切 新しい年を貴方と$
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大晦日。
タワーのカウントダウンパーティーに行くには、俺たちが住んでるマンションからだと、ちょいと距離がある。
自分の女くらい、苦労なく移動させてやりたい。
痴漢の多い満員電車など、論外だ!
「っしゃ!行くか!」
教員免許と時を同じくして、自動車免許を取得した俺は、自分の体格のこともあり、ある程度のタッパのある車をと選んだ結果……
宇髄が乗り回している愛車はバーニングブラッククリスタルシャイン・ガラスフレークのヴェルファイア。
言わずと知れた高級車である。
『天元さん。車は黒…あれ?紫?』
『一応カラーは黒なんだけどな。光の加減で色が変わって見えるのが気に入ってな!これぞ、通な男だろ?』
『そうなんだ。天元さんのセンスに合うのが有って良かったですね』
「私、天元さんの車にすら釣り合ってないんですけど……」
「なーに、言ってやがる!今から変身しようぜ?お姫さん」
「変身?」