第56章 新年用読切 新しい年を貴方と$
手早く二人分のチャーハンを作ってくれた恋人の背中に抱き着く。
「ありがとう、天元さん。大好き」
満足した白藤は離れていったが……
「………」
くっそ、めっちゃ可愛いじゃねぇか!
不意討ちすんなよ、本当に!
「どうかした?」
「……何でもねえよ」
「お惣菜買ってきたけど、冷蔵庫入れとくね。あ、サラダは出そうか」
「おう」
天元さんのチャーハンは私が頑張っても出せない食欲を誘う香りとチャーシューの火加減が絶妙で…
「天元さんのチャーハン美味しい」
そういってパクパクとスプーンを口に運ぶ白藤が可愛らしい。
「そうか。腹一杯食えよ」