第56章 新年用読切 新しい年を貴方と$
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都立大学食堂にて。
「白藤ちゃんってば!」
「あ、ごめん蜜璃ちゃん。何?」
蜜璃ちゃんは美術教師を目指していて、こうやってお昼を一緒にする中である。
蜜璃ちゃんの前には食堂で注文した料理が数々並んでいて。
私はいつもお弁当なのだが、今朝は用意するのも面倒くさくて、食欲も無いし、結局何も食べないまま、蜜璃ちゃんの食事を眺めていたのだが……
「白藤ちゃん、ずっとぼーっとしてるけど何かあったの?」
「あぁ、ちょっとね…昨日さ」
私は蜜璃ちゃんに昨日の出来事を話した。
「それは宇髄さんが酷いわ!」
蜜璃ちゃんが顔を真っ赤にして怒っている。
「うん、だから今朝。ほとんど会話しないまま出てきちゃったんだ。向こうは謝ろうとしてたみたいなんだけど、何か……」
ヒシッ!
急に蜜璃ちゃんに抱き締められて、びっくりする。
「蜜璃ちゃん?」
「私は白藤ちゃんの味方よ!」
「ありがとう」
単純だけど、すっごく嬉しくて……
やっぱり、女の子の友達って良いなって、改めて思った。