第56章 新年用読切 新しい年を貴方と$
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翌日。
「おはよう、昨日は……おい」
「ごめん、今日早いから」
ガチャ。
そういって、彼女は早々に出ていってしまった。
いつもは一晩寝れば機嫌が直る彼女だが、今回はそうもいかないらしい。
そりゃそうか。
今年は一緒に過ごそうと言ったのは他でもなく自分だし。
昨日だって早く帰ってくれば……
実際買ったプレゼントも渡せずじまい……
そんなことを考えていると……
「宇髄のお兄さん」
「お、隣の…えっと…」
「誠人(まこと)だよ」
「あ、はい。スンマセン」
小学生くらいのガキの区別なんぞつくか!
「お兄さん、白藤お姉ちゃんと喧嘩したの?」
「あぁー、ちょっとな……」
マジかー、これ近所に広がるパターンじゃね?