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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第55章 スルタン企画 絶対君主には成れずとも$ 上巻


「あら、随分と浮かない顔ね」

「白藤か」

竪琴を腕に抱えた白藤を部屋に招き入れる。

「はい、お水」

部屋に入るなり、俺の機微に気付けるのはコイツくらいのものだ。

俺にとって彼女は完璧な宮女である。

ただ、最近の彼女は綺麗になったと思う。

七つの頃からの付き合いだ。

こちらとて彼女の変化は分かる。

まだ少女然としているあどけなさが残る面差しに、女性らしい曲線を描く体つき。

最近、宮殿内で白藤を妻にしたいという噂も幾つか耳に入っていた。

そう言えば最近、宇髄が……

「おぅ、冨岡。お前地味なくせに、可愛い子囲ってんだってな?」

と、言っていたが……

確かに、綺麗になったと思う。

庭園に咲く薔薇(そうび)とまでは言わずとも、梔子(くちなし)のような、目立ちはしないが、品のある花のような……

「義勇様?」

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