第53章 裏夢ランキング記念 高嶺の藤に手を伸ばす$
「ふふっ、炭治郎君は本当に美味しそうに食べてくださいますね」
「だって、美味しいですから!」
「そんなに急いで食べなくても大丈夫ですよ」
ナメコの味噌汁を啜りながら、彼女を眺めると一瞬物悲しそうな表情を浮かべたので、何事かと問いかける。
「どうかしたんですか?」
「え?」
自覚がなかったのか、彼女はキョトンとした表情を浮かべていて…
「役に立たないかもしれませんが、俺が話聞きますよ」
「………実は…」
彼女の悩みの種はやはり冨岡のことだだった。
曰く、冨岡は食事の際もあまり表情が変わらないらしい。
好物の鮭大根を食べる時は頬が緩むらしいが、それ以外はほとんど表情が変わらないらしい。
「炭治郎君みたいに何でも美味しいって食べてもらえると嬉しいんだけどね……」