第7章 廓の中$
血鬼術、陽炎(かげろう)。私の香を吸わせた媒介を用いて相手に幻覚を見せる術。
「それなりに精度は良いんですよ?」
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日の当たらない廓脇の古道(こどう)。
そこに宇髄、冨岡、白藤が集まって口を開く。
「お前、結局何人喰ったんだ?」
「人聞きが悪いですよ、宇髄様」
「特に変装している様子もないしな…」
「変装はしてませんが客に見せる芸事を変えてるんです。ときと屋では琴、京極屋では舞、荻本屋では三味線です」
「もともと一通り出来ていたのか?」
冨岡の問いに白藤が相槌をうつ。
「いいえ、もともとやっていたのは琴だけです。と、定期連絡でしたね。雛鶴さんの情報はつかめませんが、女郎たちの噂で須磨さんは足抜け。まきをさんは体調不良で寝込んでいるとのことでした」