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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第51章 里帰り$


「俺は未だに名字で呼ばれていて、何故師範を…」

「冨岡さん、顔を見せて頂いても?」

「見るな…」

胸の中がごちゃごちゃしていて。

いつもの凪のような平静さを保っていられない。

冨岡の横顔が朱に染まっている。

度々、不安そうにしている顔は見てきたが、こんな冨岡は初めて見る。

「すみません、気付かなくて。その…笑わないで聞いて下さいますか?」

「?」

笑う?

「昔から呼べないんです。左近次様を名字で呼ぼうとすると舌を噛んでしまって…どうしても、鱗だゃき様になってしまうので…///」

「………」

「あの、冨岡さん?」

「ふっ…」

「あ、今笑わないでって言ったじゃないですか…」

「すまん…」

「もぅ。…ようやく、こちらを向いて下さいましたね」

冨岡さんの深みのある青い瞳が私を写す。

ちゅっ、と自分から冨岡の唇に口付けをする。

「不安にさせてしまってすみませんでした。でも、ちょっとだけ嬉しいです。冨岡さんの焼きもち」

焼きもち?とは確か嫉妬のことで…

嫉妬?


では俺は今まで師範に嫉妬していたのか?


「白藤…」

「何ですか?」

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