第51章 里帰り$
お堂よりも林側に湯治のためか、岩を積み上げて囲った温泉があった。
たまに利用している者が居るのか、周りの雑草などがここだけあまり見られない。
さすがに今は夜更けなので、利用者は居ないようである。
先ほどの川は水量が少なくて透明度があったが、こちらのお湯を見るにうっすらと緑がかった乳白色の湯のようだ。
「じゃあ俺は向こうで…白藤?」
白藤に羽織を掴まれ、冨岡が振り返ると頬を赤くした彼女が言った。
「やっぱり、一緒に…入りませんか?///」
「………」
はしたないって思われてしまったかしら?
「いいのか?」
「はい///」