第51章 里帰り$
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冨岡の屋敷にて。
「それで、成果はあったか?」
「はい、今日初めてアオイさんを捕まえられました!」
「そうか。良かったな」
「はい!冨岡さんも柱稽古お疲れ様でございました。さて、今日は何をお召し上がりになりますか?」
「「鮭大根」以外でお願いします」
「む?」
「いくら好きでも材料が手に入らない時もありますし、今日は肝心の鮭を切らしてしまいまして…」
「そうか。なら握り飯でいい」
「え?」
他の料理気に入らなかったのでしょうか?
「前に馳走になった」
「あぁ、高菜のおむすびですね?」
コクりと頷く冨岡が可愛らしく見えて思わずこちらの目元も綻んでしまう。
「直ぐにお持ちしますね」
そう言って、白藤は台所へ向かった。
一人残った冨岡が、やはり一度と呟いたのを白藤は知らない。