第51章 里帰り$
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「会わせたい人、ですか?」
冨岡はコクりと頷くと、自分の育手の師範の事を語りだした。
「そうですか、あのお方が冨岡さんを指南なさって下さったんですね」
「ああ」
「あのお方はあまり口数の多い方ではありませんから、何かと大変でしたでしょう」
大変?
そう言えば、鱗滝師範も元柱、白藤を知っていてもおかしくはないか。
「ご健勝ですか?」
「ああ、炭治郎も育ててもらったんだ」
「そうですか、炭治郎君も…では冨岡さんと引き合わせてくださったのは、ある意味ではあのお方のお陰ですね。ですが私が遠出するのは…」
「御館様の許可は貰ってある」
「……そうなのですか?」
万が一にも遠出は出来ないと思っていた。
例え柱が同行していても、私が動くことで本部に帰還した柱を癒すことはできない。
命に関わる治癒に関しては蝶屋敷ですら対応できないのである。
もし、また……
「白藤?」
「すみません」
「顔色が悪いな…」
カナエのような犠牲者を出すわけにはいかない。
もう、二度と。