第45章 里帰り$
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明くる日。
朝食を囲みながら、三人で談笑する。
因みに今日の朝食は鱗滝が用意してくれた。
昨夜、冨岡によって達した回数およそ五回。
したがって、白藤は腰痛のため、朝起きられず……
冨岡が身支度を済ませて台所へ向かうと先に鱗滝が朝食の下拵えをしていたので、それを手伝う流れとなった。
修練の頃を思い出しながら、鱗滝の指示通りに動く。
あの頃は、錆兎も真菰も居た。
思い出したら、泣き崩れてしまうと思ってここに来られなかったのに……
不思議と涙は出なかった。
朝食が出来たと聞き、夜着から着替えたのは隠しの隊服。
冨岡ですら持ってきていたのかと驚いていたが、鱗滝もまた言葉を失っているようだった。
「これで私も隠しの一員です」
笑顔で告げる白藤を横目に、はぁとため息をつく冨岡に鱗滝も同情する。
何とまぁ、どこを注意していいものか。