• テキストサイズ

鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第45章 里帰り$


「水柱様は夜伽の知識はございますか?なければお教えしながらになりますが」

「人並みには知識があります」

「左様ですか。体が動かない内は私が動きますので、失礼致します…」



するり。



徐(おもむろ)に帯に手をかけたかと思えば、彼女は私の目の前で裸になり、布団の脇に座れば、私の頭を膝上に乗せ、乳房を押し付けてくる。

程好い弾力が頬に当たる。



「あら、いけない。血鬼術・魅了。これで私は貴方の望む姿に変わります」



話に聞いていた通りの血鬼術。

恐らくこれが、彼女を欲しがる連中の心を掴むのだろう。



だが、私の前にいる彼女に変化は見られない。

それはそうだろう。

私に想い人や婚約者は居ない。



私が美しいと思ったのは後にも先にも彼女だけなのだから。

どんなに手を伸ばそうと届かない。



彼女の心の氷はただの人では溶かせないのだと、炎柱から聞かされていた。

彼女を見て、私も悟ったのだ。

ここには居ない者を見つめる彼女を。



『不変』という言葉は彼女にこそ、相応しい。

変わらず、そこにあり続けて、咲いている。

/ 2016ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp