第80章 家族の形$ 其の二
甘味屋でみつ豆とみたらし団子を注文した二人はどことなくふわふわとした足取りで……
「………」
見つめあっては赤面するという動作を繰り返す二人を見て、周りから注目され始める。
とはいえ意味深に微笑む周囲の視線に気づく余裕は今の二人には皆無なので、黙々と甘味を食べ続けるのである。
見かねた店主がお茶を差し出すと、二人は一息に飲み込み、勘定を置いて店を後にした。
来た時と違うのは、鋼鐵塚がしのぶの手を握って歩き出したという事実である。
「あの別嬪さんにもお相手かぁ……」
「おかしなお面付けた奴だったが……あの様子からすると単に恥ずかしいだけかもしれねぇなぁ?」
「「なんにせよ、めでたいことだねぇ」」
店主とお得意さんが顔を見合せて笑う。
しのぶが通うこの甘味屋はいつもは甘露寺と来ていたのだが、彼女が結婚してからというもの、最近はめっぽう足が遠のいていたのだ。