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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第49章 薄氷$


ビュウッ、ザンッ。

屋外で稽古する分、音が響く。

「今のは風の呼吸、ですかね?」

特段、話し相手もいないのだが、口に出して見る。

寂しい訳でもないが、心もとない気がして…

ふぅと一つため息をつくと。

「どォした?」

「ここにいる意味があるのかなと…って、不死川様。いつからそこに?」

「つい、さっきだァ。お前の姿が見えなかったから様子見に来た…」

「それは、すみません…」

「どっか、悪ィのか?」

「いいえ……」

「やっぱ、冨岡んとこじゃ駄目だ」

「不死川様?」

「俺んとこ来い、不自由はさせねェから…」

「………本当に、今代の方々は…」

「お、おい、泣くなよ!」

「すみません…私…」

「まぁ、いいけどよォ…おら、来いよ。泣ける時は泣いとけ…」

問答無用で引き込まれた腕の中は思っていたより心地よくて、鼓動の音を聴きながら、少しして微睡むように眠りについた。

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