第49章 薄氷$
「でも、君は違うよね?君は鬼だけど人を食べたりしないし…私の体を治してくれる…君のような存在がどれほど貴重か…あいつ等は分かってない…」
パッと手を離され、咳き込む。
「げほっ…ぐっ…はぁ、はっ…」
ぱさ。
簡素に掛けられていた羽織を取り払われる。
べろ。
御館様が白藤の首筋を舐める。
「っ…」
自分でもよく悲鳴を出さなかったと思う。
「また私を受け入れておくれ…愛しているよ、白藤…」
おぞましい…
いっそのこと気絶させたままにしておいて欲しい。
この方に抱かれることが苦痛でしかない。
不快でしかない行為。
でも、感じているように演技をする。
見捨てられないように。
見限られないように…
鬼殺隊に見放されたら私は……
「白藤?」
ずちゅ、ぱんっ!
「やっ…あっ…んん…///」
終わりはあるのか…?
「けて…」
助けて……厳勝、様…