第48章 失意の夜$
鏡台の前に移動し、白藤が紅をさす。
「……似合い、ますか?」
桜色の紅をさした白藤が艶やかかしい。
「よく…似合っている…///」
直視出来ない程に。
「冨岡さん…すみません。素敵な贈り物ありがとうございます」
「で、さっきのは…」
「あぁ、少し昔を思い出しまして…」
「昔?」
「私は始まりの呼吸の剣士の頃から鬼殺隊にお世話になっていまして…今から三代くらい前になりますか。御館様に私は囲われていたのです…」
「御館様に?」
「その代の御館様はひどく臆病なお方で…柱の方が…重傷にならない限り、私を外へ出そうとはしませんでした…」