第45章 里帰り$
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「白藤…」
「おはよう、ございます」
目元を擦りながら目覚めた白藤にもうすぐだと告げると、意識がはっきりしてきたようで、キョトンと目を見張る彼女。
「……もう少し、早く起こしてくれても……」
拗ねたように呟く彼女に冨岡は歩調を緩めて尋ねる。
「歩けそうか?」
「ええと……大丈夫そうです」
まさか眠ったまま運ばれるとは。
恥ずかしい。
まだ日中。
笠を被っているとはいえ、油断はできない。
「あそこだ」
久しく会って居ないから、どうされているのかしら?
「師範だ」
見知った天狗の面に波飛沫の羽織。
ああ、やはり。
冨岡さんが師範と呼ぶのは貴方でしたか。
「あぁ、着いたか。義勇、と……藤姫殿?」
「お久しゅうございます、左近次様」