第46章 最終日には$
「随分と息が上がっているようだが…」
「大、丈夫です…すみません。まだしっかり、体力ついてなくて…」
「ここは山奥だからな…少し休むといい。いま茶を用意するから、体を暖めてくれ」
そう言って悲鳴嶼は屋敷の台所に入って行った。
数分して、戻って来た悲鳴嶼に礼を言う。
「う…すみません。ありがとうございます」
ごくり。
外が寒い分、暖かいお茶が身に染み渡るようだ。
「ふぅ…ありがとうございます。悲鳴嶼さん。ですが…私も今日は客人ではなく、鍛練で来ていますから、お構いしないでくださいね?」
「だが…何故また急に…?」
「ずっと考えてはいたんです。回復させるとはいえ、私は皆様に守ってもらうことしかできなくて…」
「何も無理をすることはないんだぞ…?」