第44章 隠としての素質
「いつもの冨岡さんじゃなくて、怖かったです…」
「済まん…」
このドス黒い感情に押し潰されそうだった。
「私は貴方だから好きになったんです…それだけは…忘れないで下さい…」
「そう言えば、何が決め手だったんだ?」
「はい?」
「俺を選んだ理由…」
「……内緒です」
「は?」
「冨岡さんはどうして私だったんですか?」
「………初めて…」
「はい?」
「月光に照らされたお前が消え入りそうなほど綺麗だったから…」
誰かを綺麗だと思ったのは初めてだった。
「//////」
ぽすっと、冨岡の胸に頭を預ける。
「冨岡さん、大好きです」
ちゅっと白藤から冨岡の頬に口付ける。