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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第44章 薄氷$


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「はぁ…」



嫌な夢…

私の記憶は、大事な場所が欠落している。



それが怖い。



隣に眠る冨岡の手に触れる。

いつか…この人のことまで、忘れてしまうかもしれない……



「嫌…」

「ん……どうした…?」

「すみません、起こしてしまって…」

「いや、まだ顔色が悪いな…」



冨岡が白藤の髪を手櫛でとかしてくれる。



「すみません……」

「謝らなくていい、抱え込むな。何を吐き出しても構わない。白藤が笑えるようになるまで、俺は傍に居る」

「………冨岡さん」



彼に抱きしめられると、安心する。

励まされると、心が軽くなる。



それと胸の奥が、きゅっと締め付けられるような想い。



これを恋と言わずして、なんと呼ぼうか。




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