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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第43章 失意の夜$


「白藤?」



小刻みに体を震わせる白藤を安心させようと抱き締めて、背中を擦る。



「嫌…」

「俺だ。白藤…」

「……冨岡さん…?」

「ああ…」



ようやく視線がかち合った。



「顔見せて下さい…」

「ん…何だ?」



冨岡の胸元に擦り寄って、きつく抱きついた。



「冨岡さん、冨岡さん…」

「どうし…」

「私は……もう必要ありませんか?」



今にも泣き出しそうな震える声音で白藤は問いかける。



「……どういう意味だ?」

「今日、非番だったんですよね?」

「………あぁ、悪い。実は…これを買いに行っていた…」



冨岡の隊服から取り出されたものは…



「これは……」

「紅だ…俺では選べなかったから、胡蝶に頼んだ」

「貰って…良いんですか?」

「お前の為に買ったんだが…?」



差し出しされた紅の入った蛤を受け取る。



「……付けてみても?」

「あぁ、見たい」

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