第44章 隠としての素質
$$$
よし、予定していた時刻よりも早く着きそうだ。
夜半前に不死川の屋敷に到着したのだが…
「おっ前…」
「何ですか?」
何で俺の時だけ完全防備なんだよ!
心の中で一人ごちる不死川である。
「甘露寺の所の派手な着物じゃねぇんだな」
「どなたか着て来られたんですか?……甘露寺様には悪いですが、あれはおいそれと着られるものじゃありませんから…」
「直接拝んでねェから知らねェが…そんなにヤバかったのかァ?」
「エグいですとだけ…」
「ぷっ、お前が否定するなんざ、珍しいなァ」
吹き出す不死川に白藤が抗議する。
「笑い事じゃありません!」
「じゃあこっちに着替えな」
「え?」
手渡されたのは隊服。
背中には隠の文字が。
「これって…」