第43章 失意の夜$
「………?」
人の気配に気付いてか、白藤が目を開く。
気だるげに身を起こしながら、衣服を直し始める白藤に炭治郎が謝罪する。
「す、すみませんでした!…白藤さんが疲れた様子だったので、お茶でもどうかと、思いまして…///」
炭治郎は必死に取り繕うとする。
「そう…」
「あの!何かあったんですか?……その白藤さん何か昨日とは違うって言うか…その、辛そうで…」
「……私はそろそろお役御免なのかと…」
「はい?」
「冨岡さんが…今日非番なのを内緒にして胡蝶さんと出掛けたようでして…」
視線どころか彼女の雰囲気からも落ち込み具合が分かる程だ。
「胡蝶さんと、ですか?」
「やはり、鬼の私ではあの人とは…」
「そんなことないです!」
「炭治郎君?」