第43章 失意の夜$
ただならぬ様子に炭治郎も戸惑いを隠せない。
「白藤さん大丈夫ですか?」
「大丈夫です。少し一人になりたいので、失礼します」
スッ。
隣室の冨岡と自分が寝室に使っている部屋に入るなり、床に寝転がる。
「非番に何しに行ったんですか?嘘まで吐いて……」
どうして、胡蝶さんなんですか?
頭の中がぐちゃぐちゃで、でも、体だけが無性に熱くて……
そういえば、鏑丸様に噛まれたんだった、私にとっては媚薬……
でも、冨岡さんは居ないし…一人で処理しなきゃ…
ぐいっと引っ張り出したのは冨岡の予備の隊服。
くんくんと冨岡の隊服の匂いを嗅ぎながら、自分の体に手を伸ばす。