第43章 失意の夜$
かぷ。
「こら、鏑丸!白藤、大丈夫、か?」
「それでは、私はこれで…」
まるで表情の抜け落ちた人形の様になった白藤は、そのまま冨岡の屋敷に戻った。
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冨岡の屋敷にて。
「あ、白藤さん。お帰りなさい。白藤さん?」
いつもより暗い表情の白藤に炭治郎が声をかけるも、素通りされてしまう。
「どうしたんだろう?」
ガタガタっ!
冨岡の私室に入って行った後で大きな物音がしたので、炭治郎が慌てて駆けつける。
「白藤さん!?」
急いで白藤の元へ向かうとよろよろと立ち上がる彼女を見つける。
「大丈夫ですか!?」
「大丈夫。躓いただけですから…」