第43章 失意の夜$
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鬼殺隊本部。
「それでは、御館様失礼致します」
御館様の定期治療を終え、本部を後にしようとした時。
「白藤…」
「伊黒様、鏑丸様も…」
「御館様の容態は?」
「先程施術を……ですが……」
表情を曇らせる白藤を見て伊黒も頷く。
「そうか……」
「伊黒様は定期報告ですか?」
「ああ。そう言えば、冨岡は何処だ?」
伊黒の口から冨岡の名前が出て来るのが珍しい。
「胡蝶様と任務に出られています」
「任務?胡蝶と?」
「どうかなさいましたか?」
「記憶違いでなければ…今日は冨岡は非番のハズだが?」
「え?」
じゃあどうして胡蝶さんと?
お休みなのに…
私と居たくなかったのだろうか?
「白藤?」
「あ、すみません…」
「シュー…」
腕に絡み付いた鏑丸が白藤の首筋に噛みつく。