第43章 180,000PV御礼 空蝉の頃$
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「あのしのぶ様が柱になった時は驚きました」
「だろォな」
「私…」
「なぁ、そんなに思い詰めんなよ」
「思い詰めては…」
「目ェこんなにしてかァ?」
前髪で隠れていた目を覗き込まれる。
知らず知らずの内に目尻に涙が溜まっていたらしい。
「なら……」
絞り出した声は枯れていて。
「私も不死川様も同罪なら…辻褄合わせは…もうやめましょう…?」
「あァ?」
「私にカナエ様の代わりは務まりません」
「なっ…俺は…」
『不死川くん。もう、無理ばっかりするんだから…』
在りし日の、胡蝶の姿が見えた気がした。
「不死川様…」
「……分かった…お前とは、今日で終わりだ…」
その口付けはひどく優しいものだった。