第42章 藤の神子$(縁壱裏)
「白藤!!」
「炎柱様?」
慌てた様子で駆け寄って来た炎柱に応対する。
「今日、アイツが着ていた羽織の若者を見かけたから、聞いてみたんだ。その羽織、何処で手に入れたんだ?って…そうしたら、山賊に襲われて身ぐるみ剥がされた時に親切な奴がくれたんだと。羽織脱いだら黒い服に『滅』の字が入ってたって言うんだから、アイツは生きてる。何で戻らないかは分からないが…」
「て…」
「お、おい…!!」
「生きておられるのですね…」
つーと頬に涙を伝わせる様を見て。
「おう。だから言ったろ?アイツはそう簡単にはくたばらないってな?」
「はい」
きっと、戻って来られる。
いつか、きっと…
ただ、その微かな希望は結局叶わぬまま、縁壱様は逝去され…
私にはお別れも言ってくれないのですか?
どこかで聞いておられるのであれば、今一度…
貴方の声を聞きたいです。
-了-
あとがき
あれ?何か短い。ってか縁壱言ったのに、ほとんど兄に持ってかれてる!
いや実際恋人いたし、子供できてたハズだからテクニックもあるはずですのに!何かこう、ぁああっ!残念にしてスイマセン!(*>д<)