第43章 180,000PV御礼 空蝉の頃$
$$$
煉獄と胡蝶が話していたのは鬼殺隊本部の産屋敷邸の縁側。
白藤は御館様の定期治療の為に訪れていた。
白藤の位置からでは二人の会話は聞こえなかったが、柱二人のただならぬ空気に声すらかけられなかった。
「………」
煉獄は胡蝶のことをどう思っているのだろうか。
あの様子を見るに、思っていたより親しいのかもしれない。
$$$
「おィ」
「………」
「白藤!」
「不死川様」
「何だァ?ぼーっとしやがって」
「あ、すみません」
藤の屋敷で不死川に呼ばれて治療中だった事を思い出す。
「浮かない顔だなァ?」
「えっと…」
何と答えたらいいものか。
「胡蝶か?」
「え…?」
どうして…
「そろそろ命日だろォ?」
「えぇ、そうですね」
「言っとくが、お前が責任感じることはねェからな?」
これはこれは珍しい。
あの不死川に気を遣われている。
元柱であった胡蝶カナエは私が現場に居らず、帰らぬ人となった犠牲者の一人だ。
あの日のしのぶの慟哭を多分私は一生忘れない。