第42章 藤の神子$(縁壱裏)
縁壱様は優しい。
まるで労るように体に触れてくる。
つーと指先が肌を滑っていく。
胸に到達すると先端を引っ掻くように撫でられて、吐息が漏れた。
「ふっ…あっ…///」
「ふむ。感じやすいのだな?」
先程、不慣れだと言っていた筈の御仁が、何故こうも的確に女体を責められるのか。
「みっ…やぁ…っ…///」
「恥ずかしがる事はない。そのまま、身を委ねろ…」
縁壱様の髪が肌を擽る。
どうしよう、気持ちいい。
相手は縁壱様なのに…
厳勝様と姿が重なって…
双子だから同じ顔、同じ声。
まるで妖にでも拐(かどわ)かされたかのように、その所作に目を奪われる。
いつの間にか縁壱様に魅了されている。