第43章 180,000PV御礼 空蝉の頃$
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「はぁ…」
「あら、煉獄さんが溜め息なんて珍しいですね。雪でも降るんでしょうか?」
「胡蝶か」
「どうしたんです?」
「その…」
「白藤さんの事ですか?」
「よもっ!?……胡蝶は人の心が読めるのか?」
「そうですよーと言いたいところですが、残念ながら分かりません」
「だが…」
「煉獄さんがどこか遠くを眺めていたので、白藤さんのことか、亡くなられたお母様の事かと思いまして」
「そうか…」
「それで?白藤さんの事で何を悩んでるんですか?」
「少し自信を無くしてな」
「自信ですか?」
「藤姫殿が何を望んでいるのか分からなくてな…」
「そうですか…」
「どうした、胡蝶?」
「私は彼女を許しきれていないので」
「どういう意味だ?」
「彼女があと少し早くあの場に来てくれていれば姉は助かったかもしれない…」
「胡蝶…」
「分かってるんです。でも…」
二の句を次げなくなっている胡蝶の肩を軽く叩いてやる。
その場面を彼女に見られていたことを知らずに。