第5章 偽兄妹の交わり$(宇髄裏)
「私の従姉妹なんです…」
「あら、白藤……」
「お願いです。須磨花魁のことを教えてくださいませんか?」
「白藤さん」
迫真の演技。
お見事です。
俺には出来ません。
炭治郎は唇を引き結んで、余計なことを喋らないようにする。
「本当のところはわからないのよ。男の人にのぼせている素振りもなかったのに、だけど日記が見つかっていて……」
鯉夏花魁曰く……
「…それには足抜けするって書いてあったそうなの。捕まったという話も聞かないから逃げきれていればいいんだけど…」
どうか、無事でいてほしい…
炭治郎は切にそう願った。
「………」
須磨の情報が入ったとはいえ、白藤は宇髄にどう報告するべきか悩んでいた。
真偽が定かではないし、罠をはられている可能性もある……