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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第5章 偽兄妹の交わり$(宇髄裏)


「そうだねぇ。炭ちゃんにはちょっと早い話だけど、"足抜け"っていうのはねぇ、借金を返さずにここから逃げることさ」


逃げる……

要は駆け落ちか。


「見つかったらひどいのよ。吊るされたりするんだから…」

「そうなんですか……」

「好きな男と逃げきるひともいるんだけどねぇ。大体は連れ戻されちゃうけどね」



足抜けは、鬼にとっては実に都合のいい口実である。



「噂話はよした方がいいですよ?女将の耳に入ったら…」

「鯉夏花魁!」



女郎達がいそいそと移動を始める。

花魁はその店の看板娘。

当然、女郎達の中で一番位が高いのである。




「聞かなかったことにして下さいね?」

「ウチの遣り手婆、ひどいから……」

「違いないわね。行きましょ!」

「怖い、怖い」




鯉夏花魁と炭子を残し、女郎たちが退散する。




「あの、鯉夏花魁。その…須磨花魁は本当に足抜けしたんですか?」

「!、どうしてそんなこと聞くんだい?」

「須磨花魁は私の…私のあ……」



怪しまれていると感じ、炭治郎の顔がとてつもなくおかしくなっていく。



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