第5章 偽兄妹の交わり$(宇髄裏)
「兄さんが、まだ居てくれるなら……今度はこれでご奉仕してあげる……」
胸で陰茎を挟む仕種をする。
このまま、コイツに付き合ってたら今夜は眠れそうにないのだが、なかなかにそそる情景に頷いてしまう宇髄であった。
$$$
ひそひそ。
廊下の隅で女郎たちが噂話に興じている。
「白藤の奴、昨日はお盛んだったって?」
「実の兄貴とね…」
「キャハハ」
宇髄さんと白藤さんは早速噂になっているようだ。
昨夜の色っぽい白藤を思い出すと、顔に熱が集まってしまう感じがする。
それと、ちょっぴり下腹部がむず痒い様な、感覚がして……
だめだ。
今は仕事に集中しなくては!
炭子は両頬を叩いて気合を入れた。
「よし!」
「そういや、やっぱり須磨花魁は足抜けだったのかねぇ?」
女郎たちの噂話に炭子が割って入る。
「足抜けって何ですか?」
それに須磨って。
宇髄さんの奥さんの名前だ。
「あら、炭ちゃん。それ鯉夏花魁とこの贈り物?」
「そうです」
両手に溢れんばかりの荷物を抱えた炭子を見て女郎たちが目を剥く。
「炭ちゃんよく働くねぇ」