第41章 最終日には$
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「悲鳴嶼さん、ありがとうございました!」
丁寧に一礼する白藤。
「本当に送らなくて良いのか?」
「はい。冨岡さんの鴉が来て下さいましたし、大丈夫ですよ」
「カァー」
「そうか、気をつけてな」
「はい」
にっこりと微笑んで悲鳴嶼の屋敷を後にした白藤は冨岡の鴉(寛三郎)の案内のもと山を降りることに。
「良かったです。山を降りるの初めてで勘三郎さんがいて、助かりました」
「カァー、義勇の屋敷、行く」
山を降りる意欲を固め拳を突き上げる白藤。
「はい!」
気合いで乗り切ったものの、周囲に民家すら見当たらない場所へ降りてきてしまった。