第40章 隠としての素質
「初めてお会いした日と反応が違いましたのでもしやと」
薄く笑う彼女に目を奪われる。
「びっくりした…」
ほんの少しだけ鼓動が早くなったのを感じる。
「大丈夫ですよ、この戦いが終わったらきっと平和になります」
「白藤さんは…何か知っているの?」
どこか確信を得ているような彼女に時透は問う。
「いいえ。ただの勘です」
「そう…」
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「後は反復練習を欠かさないこと」
差し出された手拭いを受け取りながら、白藤は一息つく。
「分かりました」
「きっと白藤さんなら立派な隠になれるよ」
「ありがとうございます、時透様」
きっと貴方には隠としての素質が備わってると思うから。