第40章 隠としての素質
「ううん。白藤さんは初めてだからついていけなくても無理ないよ」
「あ、霞柱様ー」
「今話しかけないでくれる?」
怖っ。
凍てつく空気に耐えられなくなった隊士が逃げ帰る。
「時透様、良いのですか?」
「構うことないよ」
これが炭治郎君が危惧していた時透君の態度の違いかぁ。
「ですが…やっぱり嫌です」
「嫌?」
「時透様は勘違いされたままで良いんですか?」
「勘違い?」
「時透様は冨岡さんと一緒で言葉足らずなだけで、別に冷淡ではないし、本当は相手の方の事を思って伝えてるって…」
「………」
考え込む時透に声をかける。
「時透様?」
「白藤さんは不思議な人だね」
「私がですか?」
小首を傾げる白藤。