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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第38章 春恋パンケーキ


「井黒様?」

「人も鬼も容易く他人を欺(あざむ)く…」




井黒の目はここにはない何かを見ているようだった。




「欺(あざむ)かれてもいいですよ。私は貴方たちよりも……ずっと昔からここにいますから」

「お前も甘露寺も大概だ…」



そっと離れていく伊黒。



「ふふ。本人の前で仰ればよろしいのに」

「五月蝿い」



甘露寺様を好きと言えない、そんな不器用な彼が可愛く思える。



「……それでは、井黒様。今日はここで失礼します。すみません」

「さっき、夕庵を冨岡の屋敷に使いに行かせた。そろそろアイツが迎えに来るだろう…」



ぱさりと白藤が着ていた着物を肩にかけてやる。



「着ていろ」

「ん…///」

「顔が赤いな…」

「誰のせいですか…」

「俺ではなく、鏑丸だ」



シューと鏑丸が舌を出したかと思うと襦袢の上から拘束される。

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